人種のルツボでカリフォルニア生活 -15ページ目

ビデオデッキを求めて

 そういえば1週間ほど前に家のビデオデッキが壊れた。日本のビデオ屋さん(VHSのみ)で借りて来るテレビ番組が楽しみの私達。DVDが主流の今、VHSのみのデッキはきっと安く売っている事だろう。

 アメリカで売っているDVDのデッキでは日本のDVDが見れない。日米対応のDVDデッキを狙っている私達は今回、VHSのみのデッキを探しに行く事にした。

 お昼過ぎランチを食べて彼と2人、バスで近くの電器屋さんCIRCUIT CITY に探しに出かけた。行ってびっくり。DVDとコンビネーションになっている物は色々と有るものの、VHSのみの物は1台も置いてなかったのである。もう時代はここまで来てしまったのか。

 次に向かった先は生活雑貨から家電まで扱うディスカウントストアのWAL-MART。ここの創設者はつい最近発表された長者番付で第3位に名を連ねていた。アメリカ中に広がり続けるこの店、新しく建つと周りの店を食い潰すほどの影響力で度々新設反対運動が起こっている。さて、ここに来てやっと見つける事が出来たビデオデッキ。知らないメーカーのものが1種類だけ有り$39.99。ストックは無くディスプレーのみのため店員さんに聞いてみるも売れないとの事。

 そして次に向かったのはTARGET。ここも生活雑貨から家電まで扱うディスカウントストアである。今度こそ見つけた。2種類のビデオデッキ。1つはあまり知らないメーカーのもので$49.99、ストック6台有り。そしてもう1つがSONY、ストック無し。ディスプレーのみで値札も付いていなかった。ソニーだけに高いはず。しかも前回の事も有って売ってもらえるか分からない。それでも一か八か店員さんに聞いてみると調べてくれる事になった。そして奥に引っ込んだ店員さんを待つ事10分。彼の口から天使が舞い降りた。そのお値段なんと$35。フィアンセと顔を見合わせてニッコリ、「これ買います。」と2人。リモコン無しと言う事だったが壊れたデッキがソニーでリモコンは家に有るのだ。箱も無いので裸のままターゲットのマークの買い物袋に入れてもらった。

 バスの中、彼の膝の上で揺れる新しいビデオデッキ。やっと手に入れることが出来た。2人共ホクホク顔で家に着いた頃には6時近かくになっていた。


        3月12日 23:03

バスドライバー

「僕達もう会えないね。」バスに乗りこんだ私に、いつもとは違った真剣な面持ちでイケメンドライバーが告げた。私達そんな仲だった?と思いながらも「どうして?」とそれに乗っかる私。彼は笑いながら担当ルートが変わるのだと言った。そして3ヶ月に1度ルートを変えさせられるのだと教えてくれた。乗客との馴れ合いを懸念しての事だろう。そもそも毎朝同じ時間にバスを利用する私は必然的にドライバーも同じ。そういえば彼に変わったのも3ヶ月ほど前になるかな。

 以前ベテランドライバー、コスタリカ出身のホゼから聞いたところによると彼のお給料、時給にして約25ドル。そして年に6回ある祝日(独立記念日、クリスマスなど)には倍のお給料が貰えるらしい。自分の子供達はすでに独立し、もう数年後には退職を向かえるホゼはアメリカで貯めたお金をたずさえ、老後は奥さんと2人コスタリカで暮らすのだそうだ。彼とは今日も会った。夜私がいつも利用するバスのドライバーである。そしてまた悲しい別れ。「今日が君に会える最後の日だよ。」とホゼが言った。

        3月11日 23:16

アーミー

 イラク戦によるアメリカ兵の死者が1500人を突破し、それに伴い志願兵が減少している。8万人必要なところ現在では2万人程度しかいないと言う事だ。志願兵の多くはその親もまた軍人で子供に志願を勧めるのそうなのだが、この状況ではそれも無いようである。

 以前フィアンセが近所の陸軍出張所の前を通りかかったところ、「話だけでも聞いてくれ」と軍人さんに引きずり込まれた事があった。彼から聞いた話によると・・・

 中に入ると5人の迷彩服を着た軍人さんに囲まれた。コーヒーを出してくれたりとかなりフレンドリー。するとまず40問の数学のテストを受けさせられた。彼の他にも白人やアジア系の真剣に入隊を希望する少年達がいて「俺達も入るから一緒にがんばろーぜ」と励ましを受けたらしい。入隊するとついてくる特権は帰還してからの学費タダ、家のローンの手助け、外国人には市民権など色々とおいしい。お給料も貰え、最前線など志願していくと倍以上のお給料を貰えるらしい。結局入隊をかなりプッシュされたようだが最後に年齢を聞かれ32歳というと興味が無くなり「帰って良いか」と聞く彼に、あっさりと承諾してくれたと言う事だ。やはり動ける若い子が必要なのだろう。

 何はともあれ、戦争反対である。アメリカは孤立している事に気付いているのだろうか。アメリカのニュースでは大分情報操作されている所があるらしく、知らなかった事実を日本のニュースから知る事もある。アメリカ国民は操作できても世界の目は冷静にアメリカを見ている。 


       3月10日 23:57

陪審員依頼の通知

 風邪が治りきらないフィアンセの元に陪審員依頼の通知“JURY SUMMONS”が裁判所から届いた。
 
この通知が届く選ばれた者の条件(ランダムに選出)
 *アメリカ国籍所持者
 *観光目的以外で3ヶ月以上アメリカに滞在し、法的に手続きがされている外国人

陪審員の条件
 *アメリカ国籍所持者(常識的に考えて判断を下せる人は誰でも) 

 アメリカ国籍所持者ならば震え上がるこの通知。なぜなら陪審員になると毎日裁判の前日になかなか繋がらない電話を裁判所にかけては次の日のスケジュールを聞き、1日5ドルの報酬で出向き、その作業が何時まで続くか分からないからである。とにかく、この通知が来たからには断ることは並大抵の理由では認められず、その為アメリカ企業では社則で陪審員を務める際に企業によってその期間はまちまちであるが有給扱いになる。

 と言うわけで国籍日本の彼は全く関係が無いのである。とはいえこれをほかって置く事は出来ない。同封された書類に「アメリカ市民ではない」とチェックし封筒に入れ提出しなければいけないのだ。これを怠ると法的に罰せられてしまう。

 この時期、例えば彼がアメリカ国籍で、例えばマイケル ジャクソンの裁判が行われている郡に住んでたらジャクソン裁判の陪審員になれたかも・・・


       3月9日 22:43

ロサンゼルス市長選挙

 LA市長選挙で今、地元が熱い。どのニュースをつけてもこの話題で持ちきりである。昨日から投票が開始され今夜はそれぞれの立候補者のサポーター達がパーティーを開きバンド、ラッパーを呼んでのお祭り騒ぎだ。しかし違う町に住む私達にはカヤの外である。

 今回立候補に上がっているのは5人。白人2人に黒人1人、そしてヒスパニック系アメリカ人2人である。これを見ても移民の多さがうかがえる。また州知事がオーストリア出身のシュワちゃんと言う事もまたうなずける。

 今、アメリカ大統領になる為の条件から“アメリカで生まれた者であること”と言う項目をなくすような働きかけがあるらしい。もともと開拓者によって作られた国アメリカ。新たな開拓者によって新しい国が作られるのも見てみたいな。

        3月9日 00:41