テロそして中近東系移民 | 人種のルツボでカリフォルニア生活

テロそして中近東系移民

 イギリスでのおぞましい多発テロにより、またアメリカ国内での危険度レベルがオレンジになった。最大危険度「赤」の、たった1ランク下。悪い奴らと全く関係の無い、アメリカで暮らす中近東系の人々がまた、居心地の悪さを感じているかもしれない。


 911のテロの次の日、トルコ人の友達が、彼らにとっては男の象徴である、立派にたくわえた口ひげをすっかっりおとしてきた。彼の実家はモスクであり、彼自身もイスラム教を崇拝していた。そんな彼は、

「テロリストと間違えられたら嫌だからね。」

と悲しく笑っていた。

 あの同時多発テロから1年もたたない内、イラク戦争が始まって間も無い頃、オハイオ州はシンシナティー市へ彼の仕事で一緒に行った事がある。そこで乗ったタクシーの運転手はパキスタン人。バックミラーに「PAKISTAN」と刷られたCDのような物がかけてあった。それは、彼がイラク人ではない事を、無言で訴えかけているかのように感じた。

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 今年の4月には、イリノイ州からの帰り、ジョアナが働く空港からアパートまでのタクシーの中。何も話しかけてこない運転手さんの車内に備えられているライセンスを、何気に見ていた私。彼の名前が発音できそうにない。日に焼けた肌に派手なサングラスをかけ、勝手にメキシコ人だとばかり思っていた私だったが、名前からして明らかに中南米系では無さそうである。

「お国はどちらですか?」

「アフガニスタン・・・」

すぐには言葉が見つからなかった。いい国だね、や、綺麗な国だよね、とか何も出てこなかった。あまりにもメディアからの影響が大きく、アフガニスタンのイメージに気の効いた言葉さえ見つからなかったのだ。運転手さんとフィアンセ、そして私は「えへへ・・」とはにかみ合う事しか出来なかった。そして、それからは陽気で元気なおじさんへと変わった運転手さん。生まれて初めて出会ったアフガニスタン人の彼によって、報道以外で感じる事が出来たその国のイメージ。明るい人々
のイメージ。


 今・・・・飛びこんできたニュース。テロ、今度はエジプトですか?まだ続くのですか?いつまで続くのですか?平和とは手に入れられないものなのなのですか?


    
              7月23日 1:10