愛情たっぷりハート印の小包 | 人種のルツボでカリフォルニア生活

愛情たっぷりハート印の小包

 待ちに待った実家からの小包がやっと昨日、私達の元へと到着した。日本を旅だって約20日ほどがすでに経っていた。これは尋常ではない。通常1週間から10日で届くのだ。実家の母から「荷物送ったよ。」と知らされたのが5月の終わり。なかなか届かず、悪い方向へ考え始めていた私は、やっと手に出来た事に心からホッとした。よかった、無事だった。私は心配している事だろう実家に、すぐ電話を入れたのだった。


 やっと手に入れたこの小包。それまでには、仕事や用事でどうしても抜けられない私の変わりに、フィアンセが一生懸命頑張ってくれた。普段から彼はバスで15分程に在る市の郵便局に度々行く為、そこの職員さんとは顔馴染みだ。たまに同行する私の事も職員さん達は知っていたので、本人を証明する私自身が行かなくとも、何とかなった。

 まず始めに郵便局のクレームデスクへ赴いたのが先週の土曜日。一般の受け付けの方はクローズしていた時間だったが、クレームデスクの受け付けだけは開いていた。しかし、この日はすでにコンピューターが動いていなかった為、荷物の確認が取れなかったのだ。

「経由のタイミングが上手くいかなくて、少し送れてるかもしれないわね。火曜日まで待って届かなかったら、また来て。」

と、顔なじみの職員さんに言われ、帰ってきたのだった。


 そして、結局火曜日まで待っても届かず、翌日再び郵便局へ。仕事の合間を縫って行ってくれたのにもかかわらず、クレームデスクはすでにしまっていた。一般受付で聞いてみると、

「明日だったら、1時から3時に開いてるわよ。」

たった2時間だけって問題やろ!ときっと彼は思った事だろう。

そしてついに昨日の木曜日、4回目の郵便局。そしてやっとたどり着いた荷物の行方は、なんと中央郵便局であった。すでに日本へと返されてしまう所だったのだ。

「6月の4日には届いてたみたいよ。受取人不在でここに10日間ぐらい保管してあったんだけど・・・。取りに来ないから返送しちゃったようね。」

って、私達は不在届を受け取っていないのだ。明らかに郵便局側のミスか、ドアに挟んであって風で飛んでいってしまったかのどちらかだろう。そして、

「本人じゃないけどあなたの事はよく知ってるから。住所も分かってるしね。」

と、番号の付いた書類を渡された。職員さんに今すぐ中央郵便局に行くようにと言われ、慌ててそこを後にした。

 中央の郵便局と言う事は、ロサンゼルス郡とサンディエゴ郡に挟まれた海沿いの我がオレンジ郡にたった1つの存在。クローズの時間が迫っている。バスで行ける訳が無いではないか。と、彼は一瞬焦ったようだが、何の事は無い、私達のアパートを挟んで反対側のサンタアナ市にそれはあるのだ。助かった。バスを待ったり、乗り継ぎで40分程かかったようだが何とか時間内に滑り込み、奪還する事についに成功した。
 
      
6.17

 母と電話で話しながら小包を開いていく。ワクワク、ドキドキ。とても幸せな瞬間。そして飛び出してきた溢れんばかりの日本の食べ物。今までに私がポロッと「欲しいな」と言ったのを母は忘れず覚えていてくれ、私達の事を思いながら選んでくれた数々の品々を詰めれるだけ詰めて送ってくれた。そしてサプライズ、フィアンセと私にそれぞれ靴のプレゼントも添えられていた。家族の愛情がいっぱいいっぱい詰った玉手箱。やっとこの手にする事が出来たのだ。

 母との電話の後、ふと小包のインボイスを見ると総重量が9.195kgと記されていた。これを、この大きくて重たい小包を、郵便局からバスを乗り継ぎ、バス停から抱えて持って歩いて帰ってきてくれた彼を思うと、私は心から‘ありがとう’と感謝せずにはいられなかった。


 
                 6月18日 01:14


                              
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