ある韓国人家庭の事情2 | 人種のルツボでカリフォルニア生活

ある韓国人家庭の事情2

      6.15

 ニンニクの芽’のキムチ。アメリカでアーミーに入隊したジェイのママ(関連記事 からの頂き物である。もちろん韓国人である彼女の手作りだ。僅かな酸味とピリッと効いた辛さ、そしてニンニクのダブルパンチのごとく、もわーっとガーリックまるかじり、といった感じ。しかも歯ごたえが楽しい。

 ジェイ・ママが旅行から帰ってきたのがこの日曜日の事。先週の木曜日から4日間、彼女はジェイのアーミー学校、基礎クラスの卒業式の為、サウスカロライナ州まで行っていた。ジェイが入隊して1ヶ月がたった頃だろうか、彼はホームシックにかかってしまっていたようだ。しかしそれも最初だけの事、今ではかなりアーミーライフをエンジョイしているらしい。悪ガキだった高校時代、今彼は自分の生きる道を見出せたのかもしれない。卒業後、実家に帰らずそのままメリーランド州に移動。すでにハードな6ヶ月間のトレーニングへと突入した。そしてジェイは銃の整備士として軍人の道を歩み始めたようだ。


 最近ジェイ・パパと話をした。彼のつたない英語はシンプルかつ直接的だ。それでも通じ合えるものがある。同じアジア人、しかもすぐお隣の国、韓国。
なぜ彼らが国を離れ、家族でアメリカに渡ってきたのか、彼は話し始めた。その理由の1つは韓国の徴兵制度だ。なるほど、2人の息子を持つ親にとって大きな問題である。

「韓国に戦争はどこにあるんだ。無いじゃないか。ただ北朝鮮と接しているだけだ。徴兵制度で3年も軍隊に行かなければいけないのは長過ぎる。意味が無い。」

これが彼の考えである。しかし皮肉なもので、国は違えどジェイは自ら入隊を決意した。

 
 サウスカロライナ州から帰ってきたジェイ・ママ。「これ見て。」と財布から1枚の写真を取り出した。そこには迷彩服を身にまとい、アメリカの星条旗を背にし、アサルト・ライフル銃を手にして誇らしげに微笑むジェイがそこにいた。入隊前に見た子供っぽさはもはや無く、1まわりも2まわりも引き締まり、肌は日に焼け、凛と真っ直ぐな瞳が印象的であった。

「会いに行った時、ジェイったら嬉しくて泣いちゃったのよ。」

まだ18歳なのだ。新しい世界に飛び込んでいく事のなんと大変な事だろう。私は20歳で親元を離れた。楽しさの中に寂しさはいつまでも付きまとう。でも帰れる場所があるから頑張れるのだ。ジェイ、逞しく成長した彼に会ってみたいな。


     
                 6月15日 23:46

 
                             
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