カスタム カー ショー in パソ ロブレス | 人種のルツボでカリフォルニア生活

カスタム カー ショー in パソ ロブレス

 先週の土曜日、早朝4時過ぎ。フィアンセの運転するレンタカーの中に私はいた。ロスより車で約3時間半、家からは4時間の道のり。左手に海を臨み、右手には果てしなく広がるイチゴ畑やブドウ畑。そして行き着いた小さな町、PASO ROBLES

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 1年に1度、この日ばかりは30年代から50年代のアメリカのクラッシック カーが中心となり、1000台ものカスタム カーが町中を彩る。CRUISIN’ NATIONALS(クルージン ナショナルズ )と呼ばれる、カリフォルニアで最大級のカスタム カー ショーだ。フリーウェーを降り、この町に入った瞬間からそこはまるで戦後のアメリカの雰囲気。スペイン調の古い町並に、誇らしげに停められたクラッシック カー、そして町の住人の4倍もの車好き達。彼らの多くはリーゼントにジーンズ姿、まさしくジェームス・ディーンを彷彿とさせる。


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 「夢みたいやー!」

と、フィアンセは子供のようにはしゃいでいる。というのも彼、実は車バカ。この日はカメラ小僧と化していた。彼から目を離すとすぐに群集に埋もれてしまう。2度ほど真剣にはぐれそうになった。携帯を持たない私達、かなり危険だ。普段のフリーマーケットなどでは、私が好き勝手見てまわっていても彼が見ていてくれるのではぐれる事は無い。しかしこの日ばかりは違った。それほどまでに何かに夢中になっている彼を見るのは、なんだか嬉しい。
 

5  会場で目を引いたのが、ピンストライパーによる生の仕事風景。ショーで仕事を依頼され、その場で車にピンストを施していた。真剣なその姿は、近寄りがたくしかもカッコイイ。線で描かれるその模様に見入ってしまった。

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 「わー、綺麗!どうやってペイントしてんの?」

オレンジ色の車の前で私はそのペイントに釘付けとなった。ほわん、と可愛い花柄の模様。

 「レース当てて、吹き付けて塗装してんねんでぇ、きれいやなー。」

楽しそうな彼、何でも答えてくれる。周りを見渡すと、そんな生き生きとした車好きばかりだ。皆目的は1つ、車がホントに好きなのだ。


 こんな楽しい1日は、あっという間に過ぎていく。最後は後ろ髪を引かれる思いで会場を後にした。なんといっても4時間もかかるのだ。日に焼けてほてった肌が心地良い。まだ夢心地。山を越え、谷を超えて、まるで違う国に迷い込んだような錯覚だった。今日、今、あの町はひっそりとあの土地に存在しているのだろうか。

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           6月3日 00:44

                  
                              
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